Block House

exhibition

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SIDE CORE –STREET MATTERS-

2017年02月18日 > 2017年03月06日
exhibition
Nampei Akaki / 市川ヂュン/ EVERYDAY HOLIDAY SQUAD/ 菊地良太/ 宮原嵩広/ 森山泰地/ YAI YAI
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今回SIDE COREは「STREET MATTERS」というテーマで、7組のアーティストと共に展覧会を開催します。「matter」という言葉を直訳すると「問題・事柄・事態 」総じて物事の状態・状況を表します。それは語源である「material」という言葉が、物質の安定・固定した状態を表す意味に対し、「matter」は変化や動きという意味をもって物事を表しているのです。展覧会場となる渋谷のBLOCK HOUSEを一歩出れば、スケートボーダーが明治道り沿いにこっそり作ったセクションが、ホームレスが置き去りにした荷物の塊が、そして壁にはグラフィティのゲームが繰り広げられています。そのようなゲリラ的行為は日々変化しており、注意深く観察していると、これらを通して街とその秩序の変容が透けて見えてくるのです。今回展示するアーティスト達はそのような公共空間の秩序や変化に介入し、そこにある生々しい「物・事」を拾い上げ、作品として提示します。それらは私達の意識や感覚を直接揺さぶる「matter」であり、街の変化を見透す視点を私達に分けてくれるのです。
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◼︎展覧会開催概要◼︎
会期:2017年2月18日(土) - 3月6日(月)

(2月17日(金)17:00~オープニング、住宅街になるレモンで作ったお酒を振舞います。)
会場:BLOCK HOUSE
住所:東京都渋谷区神宮前6−12−9
(千代田線明治神宮前駅から徒歩5分、明治通りAUDI FORUMビル裏)
時間:13:00 - 20:00(3月6日のみ16:00まで)
休み:毎週火曜日
主催: SIDE CORE(代表 高須咲恵)
協力: BLOCK HOUSE, island JAPAN
問い合わせ: sidecore.tokyo@gmail.com
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■イベント■
⚫︎「Street Matters」関連イベント ー渋谷の路上で起こっている「物・事」ー
BLOCK HOUSEで行われているSIDE CORE「STREET MATTERS」に関連してトークイベントを行います。『ストリートの思想』の筆者であり社会学者の毛利嘉孝さん、『ロックの美術館』の筆者であり美術編集者、評論家の楠見清さんをお招きし、SIDE COREの企画者の高須咲恵、松下徹とともに、今回の企画で行われていることを紐解き言葉にします。

タイトル:渋谷の路上で起こっている「物・事」
出演者:毛利嘉孝、楠見清、高須咲恵、松下徹
入場料:500円 / 1ドリンク付き
会場:BLOCK HOUSE / 住所:渋谷区神宮前6-12-9
日時:2017年3月3日(金曜)19:00-

⚫︎「MID NIGHT HANG OUT!」TALK EVENT
アートグループChim↑Pomの卯城竜太さんを招き、SIDE COREとChim↑Pomの街を舞台とした活動の展望をシェアしあうトークショーを開催します。トークショーではSIDE COREの参加作家EVERYDAY HOLIDAY SQUADのヨーロッパでのゲリラアートに関するリサーチの結果の報告と、またChim↑Pomのアメリカとメキシコの国境で展開されたプロジェクトの裏側について伺います。また、トークショーは夜比較的遅い時間に開催され、その後卯城さんと共に「MIDNIGHT WALK tour」に繰り出します。(予約制・人数制限あり)

タイトル:MID NIGHT HANG OUT!
参加アーティスト:卯城竜太(Chim↑Pom)/ EVERYDAY HOLIDAY SQUAD/ 松下徹(SIDE CORE)
入場料:500円/ ドリンク付き
会場:BLOCK HOUSE
住所:東京都渋谷区神宮前6−12−9
(千代田線明治神宮前駅から徒歩5分、明治通りAUDI FORUMビル裏)
時間:2017年3月5日(日曜)21:00 –
問い合わせ: sidecore.tokyo@gmail.com

※詳細日程・その他のイベントは、随時サイトにてアップデートいたします。
http://sidecore.net/2017/02/05/street-matters/
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■参加作家紹介(あいうえお順)
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・Nampei Akaki
「写真がコンセプトの写真」をテーマに、日常的に膨大な量のスナップショットを撮影している。近年はレンズを介さずに直接街の光を撮影し、光がカメラ内で乱反射し幾何学的な図像を作り出すシリーズ「KENKO」を発表。また撮影の際、彼が街中から拾い集めてきたジャンク(廃品)と自身が撮影した写真のプリントを縦横無尽に組みあわせ、膨大なジャンクと写真の迷宮を作るインスタレーション作品「NAMPEI SHOP」を発表。写真が何かを写した虚像としてではなく、ジャンクと共に「街の破片」として立ち現れることで、風景に「出会う」ように写真を体験させることを目的としている。
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・市川ヂュン
市川は茨城県取手のオルタナティブ・スペース「拝借景」の中心的メンバーであり、郊外という場所性をテーマに活動を展開。「拝借景」は戦後数多く建てられた「文化住宅」と呼ばれる平屋建築であり、市川はこれを改装したり、この場所での生活に実用可能な設備を制作し、彫刻作品として発表している。それはこの場所での暮らしや周辺環境との関わりそのものを表現とし、アートと生活の境界線をぼかしていく試みである。近年では3.11での被災の経験から、「東京」と「自身が暮らす場」と「福島の帰還困難区域」をつなぐ常磐線沿線上を移動しながら、巨大な車輪を展示していくシリーズを発表。この作品を皮切りに、最近は自分達の日常生活の基盤となる、エネルギーを中心としたインフラの仕組みなど、より大きな問題に着目し作品制作を行っている。
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・EVERYDAY HOLIDAY SQUAD
EVERYDAY HOLIDAY SQUADは1人のグラフィティライターを中心に、数人のアーティストによって構成されるアートユニット。都市空間を探検し、自らの居場所を開拓していくことが活動のテーマで、建物の屋上や隙間、廃墟や空き地など、都市に隠された様々なデットスペースでプロジェクトをおこなっている。過去には、都市の地下空間に隠された川を遡り、暗闇のなかで壁画を制作した映像作品を発表。近作では東京の湾岸で閉ざされた場所を開拓し、流れ着いた驚くべき漂流物を撮影した写真のシリーズを発表している。
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・菊地良太
フリークライマーでもある菊地良太は、街の構造物に登ったり、ぶら下がったり、挟まったり、と様々な方法で身体を介入させ、それを写真作品や映像作品として発表している。フリークライマー達は一つの岩から細かい起伏や割れ目などその形状を読み取り、何もないように見える岩肌にルートを見出してクライミングしている。このルート設定を彼らの言語で「ラインを読む」と言い、菊地はまさに都市の構造物に「ラインを探す」ことを続けている。彼の写真や映像作品は街の中のラインが浮かび上がる地図でもあり、菊地が思い描く風景の写真とも言える。日常に見ている街の風景を新しく捉え直す視点と、都市生活の中で矯正されてしまった身体の可能性を揉みほぐしていく。
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・宮原嵩広
宮原は特殊メイクや特殊装飾の技術を駆使し、「フェイクの表面」を持つ彫刻作品を制作している。呼吸するように動く大理石の塊、柔かい巨大なコンクリートの壁、そしてぐにゃぐにゃに曲がるアンティークの家具など、これらの表現は単純な驚きとともに、私達がいかに表面だけを観てあらゆる物質を認識しているか、またその認識が曖昧であるかということを知らされる。それは物質を認識することの根源に迫っていく彫刻的な試みであり、同時に都市を構成する「フェイクの表面」に隠された社会の仕組みに迫っていこうとする試みでもある。今回は展示期間中、宮原の彫刻作品を街の中でも実際に展開していく予定。
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・森山泰地
森山は特定の場所に介入し、その場所に隠れた意識や物語を浮かび上がらせる作品を発表している。近作では、とある入江に舞台を立て、そこに森山が滞在する作品「水人」を発表。時間帯によって入江が満ち、舞台と森山の半身が水面下に潜る、また潮が引くとそれらの全貌が出現する。環境が時間をかけて変化する様や、入江の地形、景色、また過去あったとされる土着的な信仰を思い起こさせるきっかけとなった。また同時期には浜辺に漂流してきた、様々な種類のボトルを販売するパフォーマンスも発表。国外を含む様々な場所、そして数十年の時代を跨いだデザインや状態のバラエティー、文化の流入と場所の変化に目を向けさせた。今回の展示では、渋谷という巨大な繁華街に埋もれた物語や環境を、BLOCK HOUSEの特色ある建築を利用して可視化させる。
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・YAI YAI 
匿名のアーティスト。第3者を通じたやりとりで間接的に参加が決定。今回の展示では、お台場の自由の女神像に黒い布をかぶせる行為のドキュメントを発表する。アメリカ大統領選直後に実施されたこの行為はアメリカ政府に対する政治的な抗議か、イスラム原理主義社会への批判なのか、または単なる悪ふざけの悪戯なのか。まだ誰も知らない。
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